機械部品とは、工場などで使用される産業機械やプラント、あるいは自動車などの様々な機械・装置に使用される部品のことです。その材質は一般的には鉄・ステンレス・アルミ・チタンなどの金属あるいは非鉄金属などが使用されています。
こうした機械部品は、別名機構部品とも呼ばれるように、機械・装置を構成する上で非常に重要な役割を担っています。機械・装置などに使用するモーターなどの駆動部分あるいは電気的なユニット・部品を除けば、ほとんどが機械部品・機構部品で構成されているといっても過言ではありません。従って、機械・装置が設計上の役割を果たすためには、これら機械部品が設計どおりの寸法・精度で製作されることに加えて、高い強度や品質が求められます。
このように、機械や装置の設計上の性能を左右する機械部品ですが、性能と同時に機械・装置の『コスト』という面でも大きなインパクトを持ちます。特に、殆どが鉄やステンレスなどの金属で設計・製作される機械のコストは、これらひとつひとつの機械部品を積み上げたものになります。しかし機械・装置の性能を重視するあまり、各々の機械部品のVA・VE(設計段階でのコストダウン検討)は多くの場合、殆ど行われていないのが現状です。
さらに、仮にこうした機械部品ごとに検討を行っていたとしても、通常は開発・設計段階ではなく、機械部品の図面が作成され機械・装置全体の設計が終わってからの検討が殆どです。すなわち、機械・装置を設計・製作する会社が、外注あるいは内作部門へ寸法などの仕様が確定した図面を送付し、そこから加工時間が短縮できる方法を検討する、などといったことが行われています。
こうした仕様が決定してからのVA・VEの検討は効果が無いことはありませんが、非常に限定的になります。従って、VA・VEの効果を最大限に上げコストダウンを行うには開発・設計段階から検討を行なう事が必要なのです。