Before
旋盤加工によるワークはどんな点に注意すればコストダウンになるのでしょうか?今回は機械部品の設計者が見落としがちな「ネジ」の設計についてお伝え致します。
例えばBefore図のような、φ70程度の旋盤加工品があったとします。これにはM60×深さ8.0mmのネジ切りを行うように指示されています。何の問題も無いように見えるこの図面ですが、実際に旋盤加工でネジ切りを行う「ネジ切りバイト」は下のような形状をしているため、必ずピッチ以上のヌスミが必要なのです。
出典:モノタロウ様HP http://www.monotaro.com/g/00129469/
しかしこの旋盤加工品の設計では、その設定がされておらず、加工ができません。
コストダウン事例
After
旋盤加工品にネジ切りを設定する場合には、ネジのピッチ以上のヌスミを必ず設定します。ピッチによって先ほど説明したネジ切りバイトの形状が変わるからです。
このピッチによるヌスミの設定は、設計される方がすべての数値について知っておく必要はないと考えますが、参考までに、ピッチ2mmの場合は、ヌスミは2.5~3.0mm以上と設定してください。
今回事例に取り上げた旋盤加工品の場合は、After図のような2.5mmのヌスミを設定しました。こうすることでスムーズに旋盤加工・ネジ切りを行うことができます。
機械部品+溶接.comを運営する三栄製作所では、機械部品の設計者の方々が迷いがちなこうしたネジのヌスミの設定などの情報を発信しておりますが、当社にお問合せ頂ければどういった設定を行えばコストダウンに繋がるのかのご提案をさせて頂いております。例えば旋盤加工品の図面を作成されて、これってもっと改善余地はないかな?と考えた際はぜひ図面をお送りください。要望をお聞きしながらVE提案をさせて頂きます。