Before
マシニング加工品におけるVE手法には様々な観点がありますが、今回はその中でも「分割」と「材質」に着目した、当社で実際に行った提案事例をご紹介いたします。
Before図は、当社に加工のご相談があった際の図面で、サイズ:143×120×115、材質:SUS440Cというものでした。こうしたワーク形状の場合、VE提案を行う場合には、
全切削を行った方がいいか?分割構造がいいか?
切削加工コストと材料コストの双方からアプローチする
ということが一般的です。しかし今回のケースでは上記以外に「SUS440C」という材料がネックになるのです。つまり、SUS440Cという材質は一般的には丸棒でしか入手できず、角物の材料が簡単に入手できない、ということです。
従って、今回のワーク形状を丸棒から削り出すという事を行うと、コストが高くついてしまうのです。
そこで当社では、下記のような提案を行いました。
コストダウン事例
After
一般的に、材料の切削加工費が高くつく、あるいは材料そのものが高価な場合は、一体構造で全切削を行うのではなく、分割構造とすることがコストダウンへの近道です。
今回のケースでは、お客様に対してはSUS440Cが丸棒しか入手できず切削コストが高くなることをご説明し、一体構造ではなくネジ留めによる分割構造を提案させて頂きました。このようなVEを行うことで切削にかかる時間を大幅に短縮できるので、大きなコストダウンに繋がります。
機械加工+溶接.comを運営する三栄製作所は、マシニング・旋盤・溶接の技術を組み合わせて様々なお客様からの加工のご要望にお応えすると共に、今回ご紹介したような柔軟な発想によるVE提案を得意としております。特に分割構造についてはネジ留めはもちろん、溶接、インローなどを手法を状況に合わせて組み合わせ、ご提案しております。図面をお送り頂ければ最適な構造をご提案致しますので、ぜひお気軽にご連絡ください。